葬儀・告別式を行い、出棺の喪主挨拶が終わると火葬場へと出発します。
火葬の流れと時間の目安
火葬の時間が12時としたときの時間の目安と、一般的な火葬の流れは以下のようになります。
火葬のタイムスケジュールの例
12:00~ | 火葬場到着・納めの式 | 火葬場到着後、火葬炉の前で最期のお別れをする |
---|---|---|
火葬 | 火葬の時間は1時間~1時間半程度 | |
骨上げ | 骨を拾い集めて骨壷に納める | |
13:30~ | 還骨法要・初七日法要 | 葬儀場に戻って還骨法要・初七日法要を行う |
14:00~ | 精進落し | お世話になった人をもてなす会食をする |
15:00 | 解散 |
- 上記は葬儀・告別式の後に火葬を行う場合の例ですが、地域によっては葬儀・告別式の前に火葬を行う「骨葬」の場合もあります。
火葬前の確認事項
火葬に必要な「火葬許可証」の確認
火葬場に行くときに絶対に忘れてはいけないのが火葬許可証で、これが無いと火葬することができません。
火葬許可証は死亡届を提出した際に受け取っているはずですが、通常は葬儀屋に預けておき、火葬場の係員に渡してもらうのが一般的です。
「心づけ」の準備
火葬場へ向かう車の運転手や火葬場の係員に心づけが必要な場合があるので準備しておきます。
その他必要なものなどは地域による違いもあるので、葬儀屋に持ち物の確認などをしておきましょう。
火葬後に葬儀場に戻ることになっている場合は、貴重品のみを持参してその他の大きな荷物などは葬儀場に置いていくことができる場合もあります。
火葬の流れと進め方
火葬場へ向かう霊柩車、ハイヤー、マイクロバスでの席順
火葬場へ向かう車は棺を乗せた霊柩車が先頭で、葬儀屋のスタッフが同乗して行きます。
霊柩車に続く車(ハイヤーなど)に位牌を持った喪主と、遺影を持った遺族代表が乗ります。
僧侶も同行する場合は喪主と同じ車に乗ってもらいます。
その後ろに続くマイクロバスには遺族、近親者、友人・知人が血縁の濃い順に座ります。
霊柩車に続く車がマイクロバス、または霊柩車を使わず棺をマイクロバスに乗せる場合には、運転手の後ろに喪主と遺族代表が座り、以下血縁の濃い順に座ります。
火葬場での「納めの式」
火葬場に到着したら火葬許可証を火葬場の係員に渡します。
棺は火葬場の係員が霊柩車からおろして火葬炉の前に安置し、僧侶による読経や焼香などをする「納めの式」が行われます。
このとき、棺の小窓を開けて最期の対面をすることもあります。
納めの式が終わると棺が火葬炉へと入れられるので合掌して見送ります。
火葬中の過ごし方
火葬にかかる時間の目安は早ければ40分、長い場合は1時間半ほどかかるので、遺族は控室で僧侶や同行者をもてなして火葬が終わるのを待ちます。
火葬の待ち時間のあいだに精進落しを行う場合もあります。
火葬終了後、「骨上げ(拾骨)」をする
火葬が終わると骨を骨壷に納める骨上げ(骨揚げ)が行われます。拾骨(収骨)とも言います。
骨上げは二人一組で骨を拾い上げる「箸渡し」という作法で行われます。
喪主、遺族、近親者、友人・知人と血縁の濃い順から二人一組となって1、2片の骨を骨壷に納めて次の人に箸を渡し、次の人も同様に骨を納めていきます。
拾い上げる骨の順番は地方によって違いますが、足の方から順に下半身、上半身と上に向かって行い、最期にのど仏の骨を納めるのが一般的です。
関東ではすべての遺骨を拾い、関西では喉仏や歯骨など一部の骨しか拾わないなど地域による違いもあります。
骨上げが終わると係員が白木の箱に骨壷を入れて白布で包んで喪主に手渡されるので両手でかかえて持ちます。
火葬の前に係員に渡した火葬許可証は「火葬済」の印が押されて埋葬許可証として返却されますが、係員が骨壷を入れる箱の中に埋葬許可証を入れて渡してくれるところが多いようです。
火葬後の流れ
火葬場から戻るときは、先頭の車に喪主が遺骨を持って乗り、遺族が位牌と遺影を持って続きます。
火葬場から戻ったら「清めの儀式」を行う
火葬場から戻ったら、手に水をかける、身体に塩をかけるなどの「清めの儀式」を行います。
塩を身体のどこにかけるかは地域によって違いますが、胸、背中、足元に軽く振りかけるのが一般的です。
清めの儀式は「死のけがれを家に持ち込まない」という意味で行われますが、キリスト教や浄土真宗では死をけがれとしないので清めの儀式は行いません。
「還骨法要」と「初七日法要」を行う
火葬が終わって遺骨を迎える法要を「還骨法要」といいます。
また、還骨法要と同時に「初七日法要」も行うことが多くなっています。
初七日法要とは故人が迷うことなく仏の世界へ入るために行われるもので、亡くなった日を含めて7日目に行われる法要ですが、遺族・親族が再び集まることはたいへんなために火葬の後に行われるようになりました。
最近では、初七日法要を火葬後ではなく、葬儀・告別式の中に組み込まれる「繰り上げ初七日法要」を行うことも多くなっています。
お世話になった人たちをもてなす「精進落し」
還骨法要、初七日法要が終わったら「精進落し」と呼ばれる会食の場を設けます。「精進上げ」「お斎」などとも言います。
本来、精進落しは四十九日忌が明けてから行われるものですが、現代ではお世話になった人へのお礼の意味が強いので葬儀当日に行います。
席は僧侶が上座、喪主や遺族は招待する立場なので下座に座るのが正しい席順ですが、故人を偲んで和やかに食事をすることが目的なのであまり気にしすぎる必要はありません。
精進落しに僧侶が同席しない場合には、通夜振る舞いと同様に御膳料とお車代を渡します。
精進落としの席では、最初に喪主が葬儀が無事に終わったことへの感謝とお礼の気持ちなどを伝える挨拶をします。
挨拶の後の会食開始には「乾杯」ではなく「献杯(けんぱい)」と言います。