お葬式ガイド 喪主ガイド

お葬式の準備や費用など喪主のためのガイド。

葬儀費用ガイド6

葬儀費用の見積もりを比較して納得できる葬儀屋を見つける方法

葬儀費用の相場は「【葬儀費用ガイド①】葬儀費用の相場と内訳」に書いたとおり、葬儀費用の平均額というデータとして各地域の価格の傾向を確認することはできます。
しかし、実際には同じ地域でも人によってお葬式の内容や規模が違うので、必要な金額は人それぞれ違うものになってきます。

自分が希望する内容・規模のお葬式をあげた場合の適正な価格を知るための一番の方法は、実際に自分の地域にある複数の葬儀屋に見積もりを取って比較してみることです。

このページでは、葬儀費用の見積もりを正しく比較する方法について解説していきます。



見積もりを比較するために葬儀費用の分類を確認する

見積もりを比較

葬儀屋とのトラブルで一番多いのが、最初に思っていた金額よりも高くなってしまったということです。

お葬式をするうえでは必要となるお金でも、葬儀屋の見積もりには含まれていないものや、場合によっては見積もりの後でも料金が変動するような項目もあるので、まずは葬儀費用の仕組みを理解しておくことが必要です。

葬儀費用は支払先で大きく分けると、葬儀屋が行っているサービスに対して支払う「葬儀屋への費用」と、葬儀屋とは別の会社がサービスを提供している「葬儀屋が立て替えている費用」、お寺へのお布施として支払う「寺院への費用」の3つに分類することができます。

  • 葬儀費用の相場と内訳に書いた「葬儀一式費用」「飲食接待費」「寺院への費用」の3つの分類とは若干違います。寺院への費用は同じですが、葬儀一式費用の中には「葬儀屋への費用」の他に車両関係の費用、式場使用料、火葬料など「葬儀屋が立て替えている費用」も一部含まれます。

葬儀屋が立て替えている費用」とは、通夜振る舞いや精進落としなどの料理や会葬返礼品など、葬儀屋が他の業者に手配しているものです。
これらの金額もまとめて葬儀屋に支払うことになりますが、実際には葬儀屋を通して仕出し屋や返礼品業者へと支払われるものになります。
他には寝台車、霊柩車などの車両関係の料金や式場使用料(自社運営の式場ではない場合)、火葬料金も葬儀屋が立て替えている費用になります。

見積もりに含まれていないもの

このうち、葬儀屋が出す見積もりに含まれているのは、一般的には「葬儀屋への費用」と「葬儀屋が立て替えている費用」になります。

葬儀屋の見積もりに含まれているもの

葬儀屋への費用」は葬儀屋に支払うお金なので当然、見積もりには入っていますが、「葬儀屋が立て替えている費用」については、一般的には見積もりに書かれていることが多いですが、葬儀屋によっては見積もりに書かれていない項目がある場合もあるので注意が必要です。

寺院への費用」はお布施として喪主から僧侶に直接渡すものなので、通常は葬儀屋の出す見積もりには含まれません。(菩提寺がないなどの理由で葬儀屋にお寺を紹介してもらう場合には「紹介料」などといった項目で見積もりに書かれていることもあります)

なので、葬儀屋の出す見積もりを比較するという意味では、寺院への費用は別で考える必要があるので、ここでは「葬儀屋への費用」と「葬儀屋が立て替えている費用」について考えることにします。

お布施の金額については、地域やお寺、戒名の位によっても違ってきますので、詳しくは下記のページをご覧ください。

お布施

葬儀費用ガイド4

人数により料金が変動・追加される項目

通夜振る舞いや精進落としなどの料理や会葬返礼品などは、人数によって必要な数量が変わってくるために金額が変動する項目になります。
お葬式の当日、想定していた人数よりも多くの人が参列した場合には、見積もり時の金額に料金が追加されることになります。

通夜振る舞い・精進落とし・会葬返礼品

葬儀費用ガイド3

また、大きな規模のお葬式になると料理や会葬返礼品の費用の変動だけではなく、追加しなければならない費用が発生することがあります。
会場の外にテントを設営したり、季節によっては屋外ストーブや扇風機などを設置するための費用や、案内板を増やしたりスタッフを増員するために費用が追加されることがあります。

複数の葬儀屋から見積もりをとる

葬儀費用の見積もりをとる

お葬式をあげるには、葬儀屋の出す見積もりの金額以外に「寺院への費用が必要」なこと、見積もりの中身には「葬儀屋への費用」と「葬儀屋が立て替えている費用」があって、葬儀屋によって見積もりの書き方はまちまちであるということを理解してもらえたでしょうか。

それでは次に、実際に見積もりを取ってみましょう。

見積もりを比較するために5社程度、余裕があれば10社くらいの葬儀屋に見積もりを依頼します。

その際、先程説明したように人数によって金額が大幅に変わってしまう項目があるので、想定される参列者の予想人数(正確な人数を予測するのは難しいのでおおまかな人数で大丈夫です)を各社で同じ条件にして見積もりを取ることで金額を比較しやすいようにします。

葬儀屋を探して各社にそれぞれ見積もりを依頼するという作業はそれなりの手間がかかりますが、これらの作業に時間をかけるよりも、その後の比較検討をすることに時間を使いたいので、見積もりは一括請求ができる下記の無料サービスを利用します。

フォームに一度入力するだけで、すぐに複数の葬儀屋の見積もりを無料で送ってもらえます。

紹介された葬儀屋の中に気に入ったところがなければ、すべて断ってもまったく問題ないので気軽に利用することができます。

ただし、このサービスは日本にある多くの葬儀屋の中から紹介してもらうことができるものの、すべての葬儀屋をカバーしているという訳ではないので、紹介された葬儀屋以外で気になっていたところがあれば自分で葬儀屋のホームページなどから見積もりを依頼します。

葬儀費用の見積もりを比較する

葬儀費用の見積もりを比較する

葬儀費用を分かりづらいものにしている要因のひとつとして、葬儀屋によって見積もりの書式が違い、記載されている項目も統一された基準がないため、細かい比較がしずらいということがあげられます。

一見、総額を見れば高い安いは分かるように思いますが、葬儀屋によっては見積もりに入れていない項目や、必要最低限の数量にして見積もりを出していることもあるために、安いと思っても後で追加費用が発生してしまい、結果的に割高になってしまったということもあります。

まずは見積もりを見ながら必要な項目がきちんと入っているかを確認していきましょう。

下の表は、一般的に見積もりに記載されていることが多い品目と、その料金の目安についてです。

見積もりの項目例

品目 料金の目安 立替
祭壇 30万円~  
5万円~
遺影写真 1万5千円~
骨壷 6千円~
白木位牌 2千円~
ドライアイス 8千円前後/日
案内看板 1万5千円~
受付設備 5千円~
司会・進行 2万円~
式場使用料 公営:5万円~10万円
民営:20万円~
火葬料金 公営:0~5万円
民営:5万円~17万円
会葬礼状 50円~100円/人
会葬返礼品 千円~3千円/人
通夜振る舞い 2千円~3千円/人
精進落とし 3千円~5千円/人
寝台車 2万円/20kmまで
霊柩車 3万円/20kmまで
マイクロバス 3万円~
  • 立替の項目に◯がついているものは葬儀屋が立て替えている費用。ただし、式場使用料については、葬儀屋が自社で運営している式場を使用する場合は支払先が葬儀屋になります。

上記の金額はあくまで目安として参考にしてください。

これ以外の品目では「枕飾り」「後飾り」「焼香用仏具」「花飾り」「供物」などが書かれていることもありますが、祭壇料金に含まれている場合もあります。

式場使用料、火葬料金については喪主または施主が式場や火葬場に直接支払う場合と、葬儀屋が立て替えて支払う場合があるので、見積もりに書かれていない場合は確認してみましょう。

斎場
火葬場

料金が変動する項目

人数によって料金が変動する飲食接待費(返礼品や料理など)のほか、移動距離によって変動する寝台車や霊柩車、マイクロバスなどの車両関係の料金、必要な日数によって変動する遺体保存のためのドライアイスなどの料金は、それぞれ、何人、何km、何日で見積もりが書かれているかを確認しておきます。

ドライアイスは使用した量で金額が変わってくるので、火葬場が込んでいるなどの理由で火葬までの日数が増えた場合にはドライアイスの使用量が多くなり、その分だけ金額は高くなってきます。
寝台車・霊柩車などは移動距離によって金額が変わってきます。

葬儀屋によっては「◯◯プラン」などのセット料金のなかで、必要最低限の量で金額を設定しておいて、それをオーバーした場合に追加料金として徴収するところもあります。

人件費の項目に注意する

「司会・進行」以外にも「設営・管理」「案内係」「サービススタッフ」「手続き代行」など葬儀屋によって様々な名称で見積もりに人件費が書かれている場合があります。

これらの人件費が書かれていない場合は、祭壇の料金に人件費が含まれていると思って良いでしょう。

なので、他社に比べて祭壇の料金が安い場合でも、他社では書かれていないような人件費の項目が多く入っていて、金額を合計すると高くなってしまったということもあるので注意が必要です。

CHECK !

見積もりに含まれていない項目に注意

通夜振る舞いや精進落とし、会葬返礼品などや、斎場を利用する場合の式場使用料、火葬費用などは葬儀屋が仕出し屋や返礼品業者などに手配して立て替えている項目です。
これらは葬儀屋が直接提供しているサービスではないために、見積もりに書かれていないケースがあるので注意が必要です。

葬儀レビで出してくれる見積もりについては、式場使用料・火葬費用・料理費用・返礼品費用が含まれた金額が提示されることになっているので比較がしやすくなっています。

「葬儀屋が立て替えている費用」を除いて比較

葬儀費用を比較するうえで注目すべきなのは、葬儀屋が立て替えている費用です。

葬儀屋が立て替えている費用には、式場使用料、火葬料金、飲食費、返礼品や車両関係の料金などがありますが、これらの料金は葬儀屋が決めているわけではないのでそれぞれ定価があります。
つまり、利用する場所、料理・品物・車両のグレード、数量(距離)などが同じであれば、どこの葬儀屋を利用しても基本的にはそれほど料金は変わりません。

例えば、人数が同じはずなのに返礼品の費用がA社よりB社の方がかなり高いという場合には、(B社が余程マージンをを取っていない限りは)品物のグレードが違う場合が考えられますので、品物を同じようなグレードに変更してもらうことで似たような金額になるはずです。

ということは、これらの葬儀屋が立て替えている費用を除いて「葬儀屋への費用」のみにすれば、葬儀屋が決めている料金そのものを比較できるということになります。

葬儀屋への費用のみで比較

「葬儀屋への費用」として見積もりに書かれている項目は、人件費の項目などのように各社で大きく書式が違いますが、「葬儀屋が立て替えている費用」はどの葬儀屋もだいたい同じはずです。

もし、A社や他の葬儀屋では書かれている立て替え費用があるのに、B社の見積もりには書かれていないというものがあればB社に確認をしてみると良いでしょう。

上記に掲載した「見積もりの項目例」の表を参考にして、取り寄せた見積もりから「葬儀屋が立て替えている費用」を取り除いてみてください。

表に書かれている項目の他に、心づけの項目が書かれている場合も取り除いてください。

心づけの封筒の書き方

更に細かく見たい場合には、ドライアイスの料金が各社で日数が異なることがあるので、日割りして1日分の料金にするとよいでしょう。

あとは祭壇や棺のグレード、各社のサービスなどを考慮して料金を比較することで、納得の行く葬儀屋を見つけることができるはずです。