お葬式をするときに必ず決めなければならないことの一つに、どこで葬儀を行うかということがあります。
葬儀は行う場所は「斎場※」「式場」「葬儀場」「セレモニーホール」「メモリアルホール」など様々な呼び方があります。
- 一部では火葬場のことを斎場と呼ぶこともありますが、ここでは「葬儀を行う場所」のことを斎場として解説します。
記事の最後にあるコラムでなぜ火葬場のことを斎場と呼ぶことがあるかについて解説しています。
斎場は運営母体によって大きく2種類に分けることができ、「公営斎場」と「民営斎場」があります。
公営斎場と民営斎場の費用の違い
公営斎場・民営斎場の費用の相場
斎場の種類 | 費用の相場 | |
---|---|---|
公営斎場 | 5~10万円 | |
民営斎場 | 葬儀専門の貸斎場 | 20~40万円 |
葬儀屋の自社斎場 | 10万円前後 |
上記のとおり、公営斎場と民営斎場では料金に大きな違いがあり、公営斎場の方が圧倒的に安く利用することができます。
公営斎場の特徴
公営斎場は料金は安いが予約が取りづらい
公営斎場は市区町村など自治体で運営しているので、亡くなった人あるいは利用する人(喪主)がその地域の住民の場合には安く利用することができます。
自治体の住民ではない場合には、住民の利用料金の倍近くの料金がかかる、または利用自体ができないということもあります。
また、公営斎場は火葬場を併設しているところも多くあり、このような斎場の場合には葬儀後に火葬場へ移動するための霊柩車やマイクロバスなどを手配する必要がありません。
前述のように公営斎場は民営斎場よりも安く利用できるため、特に都市部などでは混雑していて予約が取りづらいという問題もあります。
予約できるのが一週間先ということもあるので、その場合にはドライアイスなどの安置費用も待ち時間の日数分かかることを考慮する必要があります。
公営斎場の特徴
- 斎場利用にかかる費用が安い
- 火葬場が併設されていることが多い
- 住民以外は料金が高い、または利用できない
- 混雑しているために予約が取りづらい
民営斎場の特徴
民営斎場は料金は高いがは施設が充実している
費用の面では公営斎場より料金の高さが目立ちますが、設備が充実していたり、交通の便が良いところにある場合も多いのが特徴です。
予約も公営に比べて取りやすいので、日程を優先したい場合や、設備・交通の便などを重視したい場合には検討してみてもよいでしょう。
葬儀屋が自社で運営している斎場
民営斎場には専門業者が運営している貸斎場のほかに、葬儀屋が自社で運営している斎場があります。
通常はその葬儀屋で葬儀をする場合にしか使えない専門斎場です。
専門業者が運営している貸斎場よりも自社運営の斎場の方が安く利用できる、他の斎場よりも融通が効きやすいなどのメリットがあります。
自社で斎場を持っている葬儀屋は、当然、自社運営の斎場を利用することを勧めてきますが、他の民営斎場より安いとは言え、それでも公営斎場の方が安いことが多いので、何を優先するのかをきちんと比較検討したうえで判断した方が良いでしょう。
民営斎場の特徴
- 公営に比べて費用が高い
- 予約が取りやすい
- 施設が充実、交通の便が良い場合が多い
- 自社運営の斎場は比較的安く利用できる
公営斎場・民営斎場以外でお葬式をする
公営斎場や民営斎場を利用する以外にも、自宅や公民館で葬儀をすることもあります。
自宅でお葬式をする
1990年以前は自宅でお葬式をする人が半数近くいましたが、現在では自宅でお葬式をする人は5%前後くらいしかいません。
準備や片付けなどがかなり大変だったり、場所によっては近隣住民の迷惑になることもありますが、そもそも祭壇を置いたり通夜振る舞いの席を用意するようなスペースが無いといったケースが多いでしょう。
小規模な葬儀など自宅でも可能な規模で葬儀をあげることができれば、会場費が無料になるので、その分だけ葬儀費用を安くすることができます。
公民館を借りてお葬式をする
自治体が保有する公民館や、共同住宅にある集会場を葬儀会場として利用することもできます。
斎場を利用するよりも大幅に費用を抑えることができます。
ただし、利用時間や設備などの制限があることも多いので、利用する際には事前に確認をするようにしましょう。
火葬場なのに斎場?
本来、斎場とは葬儀を執り行う式場のことを指すのですが、一部の火葬場では「◯◯斎場」というように、火葬場であるのに斎場という名称が付いているところもあります。
これは現在のような無煙タイプの火葬場ができる前、火葬をすると高い煙突から黒い煙が上がる煙突式の火葬場が多かった頃、地域住民の火葬場建設反対運動などが盛んにあり、火葬場に対するイメージは良いものではありませんでした。
そのため、火葬場併設の斎場では◯◯火葬場・◯◯斎場という名称にしないで、火葬場も斎場も両方併せて◯◯斎場と呼ぶことにしたところから始まり、火葬場のみの施設でも◯◯斎場という名称にする火葬場が出てきました。