お葬式ガイド 喪主ガイド

お葬式の準備や費用など喪主のためのガイド。

葬儀費用ガイド3

お葬式での食事・お礼の品の費用【通夜振る舞い/精進落とし/返礼品】

お葬式で必要となる金額には「葬儀一式費用」「飲食接待費」「寺院への費用」があることを下記の【葬儀費用ガイド①】でお話しましたが、このうち、弔問に来ていただいた人にふるまう料理や飲み物(通夜振る舞い精進落とし)と、参列へのお礼の品として渡す品物(会葬返礼品)にかかる費用が「飲食接待費」になります。

お葬式にかかる費用

葬儀費用ガイド1

お葬式をする前に正確な飲食接待費の金額を把握することは難しいですが、ある程度の予想をすることはできますので、どんなことに料金がかかって、どうすることで料金が変わってくるのかを理解しておきましょう。



飲食接待費は人数・内容によって金額が変動する

通夜振る舞い・精進落とし、会葬返礼品の費用として必要となる飲食接待費は、「【葬儀費用ガイド①】葬儀費用の相場と内訳」にも書いたとおり平均で44.6万円となっており、お葬式に必要な金額のうちの約1/4の金額を占めています。

葬儀費用内訳

全国平均としてはこのような金額となっていますが、この費用は会葬者の人数、料理の内容・お礼の品に選ぶ品物によって金額が大きく変わってきます。

規模の小さな家族葬などでは10万円もかからないこともあれば、数百人が参列するような規模の大きなお葬式の場合には100万円近くの金額がかかることもあります。

飲食接待費の費用の計算

通夜振る舞い・精進落とし・会葬返礼品

通夜振る舞い会葬返礼品は弔問客の人数によって大きく変動します。
事前に弔問客の正確な人数を把握することは難しいですが、ある程度の人数を予測してからそれぞれの費用を割り出します。

弔問客の人数の予想がつかない場合は、故人が最近もらった年賀状の数から予測することができます。

精進落としは火葬場に同行する人数分を用意することになるので、事前に同行してほしい人に確認をとっておくことで必要な数を把握できます。

通夜振る舞いの費用

通夜振る舞いとは、弔問客への感謝の気持ちをしめすもので、通夜の後に食事や飲み物をふるまい、思い出などを語り合って故人を偲び、供養するために設けられる1~2時間程度の会食です。

通夜振る舞いの人数を厳密に把握することは難しいので、お寿司やオードブルなどの取り分けやすい大皿での料理を用意するのが一般的です。
また、「お清め」の意味で日本酒やビールなどのお酒も用意します。

通夜振る舞いは少し箸をつける程度で帰る弔問客も多くいますので、予想される弔問客の人数より少なめの量で大丈夫です。
一般的には、一人2千円から3千円程度の料理を参列者の5割~7割程度の人数分で用意しておきます。

ただし、家族葬など親しい間柄のみが集まるような場合には、ゆっくりと食事をすることになるので多めに用意しておきます。

通夜振る舞いの費用の計算例

80人の参列者が予想され、一人3,000円の料理・飲み物を出す場合の通夜振る舞いの費用

80(人) × 70(%) × 3,000(円) = 168,000(円)

精進落としの費用

精進落としは親族やお世話になった人へ振る舞う食事で、火葬場から戻ってきたとき、または火葬場で火葬が終わるまでの待ち時間に設けられます。

精進落としは火葬場に同行する人数分を用意することになるので、基本的には親族の人数分と僧侶の分を用意することになります。
もし、故人と特に親しくしていた友人などで火葬場へ同行してもらう人がいれば、その人の分も用意しておきます。
通夜振る舞いまでには、親族や来てほしい人に聞いて火葬場へ同行する人数を確認しておくと良いでしょう。

僧侶が精進落としを辞退することもありますが、その場合には「御膳料」を包んで渡すことになります。

お布施

葬儀費用ガイド4

精進落としの料理は、ひとりひとり個別にお膳を用意するというのが一般的です。
一人3千円~5千円程度のお膳を必要な人数分用意します。

精進落としの費用の計算例

火葬場へは親族16人と、故人と特に親しかった友人ひとりに来てもらった。
僧侶は精進落としを辞退したので御膳料を包んで渡すことにした。

17(人) × 4,000(円) = 68,000(円)

会葬返礼品の費用

会葬返礼品会葬御礼)は通夜や葬儀に参列した人に会葬礼状と共に渡すお礼の品です。

以前は、通夜に渡す「通夜返礼品」と葬儀で渡す「葬儀の会葬御礼」とで違う品物を渡していましたが、最近では通夜だけに参列するという人が増えたために、通夜も葬儀・告別式も同じ品物を渡すことが多くなりました。

会葬返礼品とは別に「香典返し」というのがあります。
香典返しは忌明け(四十九日)後に香典でいただいた金額の3割~5割程度の品物を贈るのに対して、会葬返礼品は通夜や葬儀に参列してくれた人全員に、来ていただいたお礼として500円~千円程度の品物を渡します。
香典返しについては下記のページをご覧ください。

人気の香典返し

会葬返礼品として渡す品物は、ハンカチやお茶、お菓子などが多く選ばれていますが、最近では持ち帰る際に邪魔にならないようなプリペイドカードやお米券、商品券などを渡すこともあり、会葬返礼品として渡す品物は多様化してきています。

会葬返礼品は予想される参列者の人数より多めに用意しておく必要がありますが、多くの葬儀屋では配った数だけを精算してくれます。

会葬礼状は一定の枚数(100枚までなど)がセット料金のなかに含まれていて、それ以上の枚数が必要になる場合には別料金という場合が多いですが、葬儀屋によっても違うのでセット料金に含まれているかは確認しておきましょう。

会葬返礼品の費用の計算例

1,000円の会葬返礼品を86名分配った。料金は配った分だけを精算してくれた。

86(人) × 1000(円) = 86,000(円)

お葬式の人数とお金

こうして見ると、お葬式にかかる費用を抑えるためには「できるだけ人数を少なくして規模の小さなお葬式にすればよいのでは」と思ってしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。

人数が多いということは、飲食接待費の出費も大きくなってしまいますが、香典による収入も大きくなります。

香典収入と葬儀費用

葬儀費用ガイド5

お葬式は費用面も大事ですが、故人がどのようなお葬式を望んでいたか、遺された人(身内だけではなく故人の友人・知人も含めて)の気持ちなども考えたうえで決めたほうが良いでしょう。

もちろん、無理をして規模の大きなお葬式をしたために、遺された遺族の生活が苦しくなってしまうというようなことは故人も望んでいないはずなので、身の丈にあったお葬式にするべきです。
見栄をはらずに、料理や返礼品のランクをひとつ下のものにするというのも一つの方法なので、よく考えて決めるようにしましょう。


前回の「葬儀一式費用(葬儀プランの費用)」と今回の「飲食接待費(通夜振る舞い・精進落とし・返礼品)」は葬儀屋へ支払うお金ですが、それとは別に支払わなければいけないのが「寺院への費用」です。

次回は、寺院へ支払う読経料や戒名料などのお布施についてです。

お布施

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