お葬式ガイド 喪主ガイド

お葬式の準備や費用など喪主のためのガイド。

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葬儀プランの種類と選び方【一般葬/家族葬/一日葬/火葬式(直葬)】

お葬式で必要となる金額を大きく分類すると「葬儀一式費用」「飲食接待費」「寺院への費用」の3つに分けることができるということを前回の【葬儀費用ガイド①】でお話しました。

お葬式にかかる費用

葬儀費用ガイド1

この3つの費用のうち、もっとも大きな金額になるのが、葬儀そのものにかかる費用である「葬儀一式費用」です。

葬儀一式費用」とは、葬儀屋の広告などで提示している「葬儀一式◯◯万円」「◯◯プラン◯◯万円」などといったセット料金(葬儀プラン)の金額になります。

まずは、お葬式に必要なお金の中で大きな割合を占めている葬儀プランについて、どのようなプランがあってどんな違いがあるのか、どのプランを選んだらよいかについて知っておきましょう。



葬儀プランの種類

葬儀プランの種類と選び方

葬儀プランに含まれている金額のなかでも、大きな割合を占めているのが「祭壇」「(ひつぎ)」「人件費」の金額になります。

葬儀プランの金額は葬儀の形式や規模の大きさによって金額が違います。

規模の大きなお葬式にすると、広い式場を選ぶ必要がでてきたり、スタッフの人件費が増えるために費用は高くなってきます。
また、祭壇や棺のグレードを上げて豪華にすることでも金額は高くなります。
逆に、儀式などを省略した形式のものにすると費用は安くなります。

多くの葬儀屋で用意されている葬儀プランは、「一般葬」「家族葬」「一日葬」「火葬式(直葬)」の4つのタイプに大きく分類することができ、オプションによって祭壇や棺のグレードを変えるという形が多いようです。

従来型の「一般葬」と、親しい人だけで送る「家族葬」

現代の日本では高齢化が進んでいるために故人の交友関係が希薄になってきていることや、形式にこだらずに家族だけで最後の時間をゆっくり過ごしたいという要望などから、多くの人に参列してもらう従来型のお葬式ではなく、少人数の「家族葬」が人気となっています。

一般葬

一般葬とは、従来より行われてきた葬儀の形態です。
親戚はもちろん、友人や仕事関係のつきあいの人など広く関係者に訃報を知らせて、宗教儀礼に従ってきちんと通夜や葬儀・告別式を執り行い、多くの人たちで故人を見送るお葬式です。

家族葬

家族葬は、近年増えている小規模な葬儀の形態です。
◯◯人以下は家族葬といった決まりがあるわけではなく、家族・親族を中心とした会葬者の少ない小規模なお葬式のことをいいますが、一般的には10~30人程度の人数で行われることが多いようです。

費用をかけない「一日葬」と「火葬式」

費用をかけないお葬式として近年、首都圏を中心に注目されているのが「一日葬」と「火葬式」です。

しかし、このタイプの葬儀を選ぶ人はまだまだ少数派ということもあり、馴染みのない人も多くいるために注意が必要です。

今までの経験から従来型の葬儀をすることが普通だと思っている年配の親族も多くいますので、事前にしっかりと理解を得ておくことが大事です。

また、菩提寺がある場合にも注意が必要です。
これらの葬儀では、通常であれば行う儀式を省略する形で行うことになるので、菩提寺の了承を得ていないと後々トラブルになることもあります。

一日葬

一日葬は、通夜を省略して葬儀・告別式と火葬を一日で執り行う葬儀の形態です。
通常2日かかるお葬式を1日で済ませるので葬儀費用を軽減することができ、通夜を省略するので通夜振る舞いの必要もありません。
一日で終わるために、遠方からくる親族などが宿泊をしなくてもすむというメリットもあります。

火葬式(直葬)

火葬式は、通夜や葬儀・告別式を行わず、直接火葬場に搬送して火葬する葬儀の形態です。
直葬(ちょくそう・じきそう)とも呼ばれます。
通夜、葬儀・告別式を行わないため、葬儀費用を大幅に安くすることができます。

葬儀プランの選び方

上記のように、現在は様々な形式の葬儀が用意されてありますが、安易に決めてしまうと後々トラブルになってしまうこともあるので注意が必要です。

自分の状況に合わせたタイプの葬儀プランを選ぶようにしましょう。

下記に葬儀プランを選ぶ際の事例を掲載しましたので参考にしてください。

状況別による葬儀プランの選択例

故人が希望していた葬儀があった場合

生前、故人が自分の葬儀の形式について希望しているものがあれば、多くの場合は故人の遺志を尊重して希望通りの葬儀をしてあげたいと思うでしょう。
この場合、どのような葬儀プランを選んだとしても親族の理解は得られやすいと思います。

ただ、必ずしも故人の希望に合わせた葬儀をしなければいけないということはありません。
どのような葬儀にするかは、葬儀をとりおこなう遺族が決めることです。
たとえ故人の希望だったとしても、豪華な葬儀を無理をして行わなければいけないということはありません。

ただし、単純に葬儀費用を安くするために火葬式や一日葬にしたいという場合には注意が必要です。
これらの葬儀プランは本来するべきである儀式を省略しているものなので、菩提寺がある場合には寺院墓地に埋葬することができなくなってしまった等のトラブルになってしまう可能性もあります。
菩提寺がある場合には、事前に菩提寺へ連絡して相談をするようにしましょう。

菩提寺

交友関係が広く会葬者が多く見込まれる場合

故人がまだ現役で働いていたなど会社関係の弔問客が多いと予想される場合や、交友関係が広く、会葬者が多く見込まれる場合には、一般葬にして多くの人に見送ってもらうのが良いでしょう。
会葬者の人数は故人がやり取りしていた年賀状の数から、ある程度の人数を予測することができます。

家族葬にする場合には、死亡の連絡をする際に「近親者のみで葬式を行うため、参列は遠慮願います」ということを伝えておく必要があります。
葬儀に呼ばない人には事前に知らせないという方法もありますが、その場合には葬儀後に死亡通知書を送って、親族のみで葬儀を執り行ったということをお知らせします。
交友関係が広い場合には葬儀とは別に、後日、お別れ会を開くということもあります。

また、家族葬は費用が安いというイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。
一般葬より規模が小さくなるので、葬儀にかかる全体的な費用は抑えることはできますが、弔問客からの香典収入もなくなるので、結果的に思っていたほど葬儀費用を抑えれなかったという場合もあります。
遺族・親族の考えだけではなく、故人と縁が深かった友人・知人たちの思いも考慮したうえで葬儀プランを選んだほうが良いでしょう。

香典収入と葬儀費用

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故人が高齢で親戚や友人も少ない

故人が高齢の場合には、親戚や友人も高齢なためにすでに亡くなっている、または生存していても入院していたり遠方から来る体力がないなどの理由から、必然的に子どもや孫たちだけの小規模な葬儀の家族葬になるということが多くあります。


残された遺族が高齢で負担をかけたくない

故人の配偶者や親など、喪主となるべき人が高齢で体力的にあまり負担をかけたくないといった場合に、一日で終えることのできる一日葬を選ぶことがあります。

遺族は火葬式にしたかったが、親族がそれに反対して通常の葬儀にするべきだ、というように身内と意見が対立した場合などで、折り合いをつけるために一日葬にするといったケースもあります。


故人の身内も少なく蓄えもほとんどない

故人が生涯独身だった場合など、身内が少なく葬儀費用もあまり出せない状況の場合に火葬式が選ばれることがあります。

火葬式は、一般葬や家族葬に比べるとごく少数派なので、親族が多い場合などは全員に理解してもらうことはなかなか難しい場合もあります。

家族・親族でよく話し合うことが大切

例えば、故人や親族が豪華な葬儀を望んでいたとしても、遺族は葬儀が終わった後も生活を続けていかなければならないので、あまり無理をする必要はありません。

また、故人が生前に家族だけで葬儀をしてほしいと言っていたとしても、遺された遺族はこれからも親族との付き合いは続いていくので、関係を悪くしてしまわないためにも、きちんと親族とも話し合う方がよいでしょう。

最終的にどの葬儀プランを選ぶにしろ、家族・親族でよく話し合ってみんなが納得できるようにすることが大切です。

葬儀プランを選ぶときのポイント

  • 故人が希望していた葬儀の形式があったか
  • 会葬者の人数がどのくらいになりそうか
  • 葬儀の予算がどのくらいあるか
  • 遺族・親族の意向
  • 菩提寺があるか

「葬儀一式費用」は葬儀の豪華さや規模・形式によって金額が変わってきますが、参列者の人数によって大きく金額が変わってくるのが「飲食接待費」です。

次回は、通夜振る舞い・精進落とし・返礼品などの飲食接待費についてです。

通夜振る舞い・精進落とし・会葬返礼品

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