日本ではお葬式でお世話になった人に「心づけ」としてお金を包んで渡す慣習があります。
しかし、喪主になるという経験は人生でそうあることではないので、心づけを誰に渡すべきか、いくら位の金額を渡せばよいのか、どのようにして渡せばよいのかなど分からないことばかりだと思います。
このページでは、お葬式で用意する心づけの金額の相場や、お金を入れる封筒について、誰にどのタイミングで渡せばよいかなどを解説していきます。
誰に心づけを渡せばよいか
一般的に心づけを渡す相手は、火葬場へ向かうときの車の運転手と、民営の火葬場にいる係員になります。
心づけを渡す運転手
霊柩車やマイクロバスの運転手に渡します。
喪主や遺族代表、僧侶がマイクロバスではなくハイヤーに乗って移動する場合には、ハイヤーの運転手にも渡します。
心づけを渡す火葬場の係員
民営の火葬場では、火葬炉に納めていただく火葬員、火葬中に控室で配膳などをしてくれる接待係に渡します。
公営の火葬場の職員は公務員なので、原則、心づけは受け取らない決まりになっていることがほとんどです。
葬儀屋のスタッフには心づけを渡すの?
お葬式では葬儀屋の担当者と多くの時間を共にすることになるので、心づけを渡す必要があるのではと考える人もいますが、葬儀屋へは葬儀費用として相応の金額を支払っていますので基本的には渡す必要はありません。
社内の規定で「心付けは受け取らないこと」としている会社も多くあります。
葬儀屋の従業員への心づけを強要してくるような会社には注意する必要があるでしょう。
心づけを準備する
心づけは葬儀当日に必要になるので、それまでに用意をしておきます。
お葬式での心づけの金額の相場
心づけは気持ちなので金額は自分で決めることになるですが、相場はだいたい3,000~5,000円程度です。
渡す相手 | 金額の相場 |
---|---|
霊柩車の運転手 | 3,000~5,000円 (霊柩車のランクにより~10,000円程度) |
ハイヤーの運転手 | 2,000~5,000円 |
マイクロバスの運転手 | 3,000~5,000円 |
火葬場の火葬員 | 3,000~5,000円 (火葬場のランクにより~10,000円程度) |
控室の接待係 | 3,000~5,000円 |
心づけの金額はお葬式の規模や地域によっても違いがあるので、葬儀屋に相場を聞いておくのが良いでしょう。
心づけの封筒の書き方
白封筒、または市販の小型の不祝儀袋を用意して、表書きに「志」(こころざし)と書いてその下に「◯◯家」と書きます。
封筒は葬儀屋で用意してくれていることもあるので、葬儀屋の担当者に渡す相手や金額の相談をしたときに聞いておきましょう。
心付けを渡すタイミング
お葬式は慣れないことばかりなので、心づけを渡しそびれてしまうのではと心配する人も多いのではないでしょうか。
心づけを渡すタイミングについては、葬儀屋のスタッフが渡す時に喪主に合図をしてくれる場合が多いようです。
それぞれ、下記の表に記載してあるタイミングのどこかで渡すことになりますが、迷うようでしたら顔を合わせたときに「よろしくお願いします」と言って渡すのが良いでしょう。
渡す相手 | 渡すタイミング |
---|---|
霊柩車の運転手 | 乗車するとき。または火葬場到着時 |
ハイヤーの運転手 | 乗車するとき~式場に戻ってくるまで |
マイクロバスの運転手 | 乗車するとき~式場に戻ってくるまで |
火葬場の火葬員 | 火葬場到着時~棺を火葬炉に入れるまで |
控室の接待係 | 食事が終わるまで |
葬儀屋によってはスタッフが心づけを預かっておき、喪主に代わって心づけを渡すこともありますが、その場合はきちんと渡しているということが分かるように、喪主や遺族の見ているところで心づけを渡すようにしてくれます。
心配であれば事前に葬儀屋の担当者に相談しておきましょう。
心づけは葬儀屋と相談して準備しておく
心づけを渡す相手や金額などは地域によって違ってくることがあります。
地域によっては心づけを渡す慣習自体が無くなっているところもありますので、地域の事情に詳しい葬儀屋と相談して準備しておきましょう。
心づけは感謝の気持ちなので決められた金額というのはありませんが、葬儀屋によってはあらかじめ必要な心づけの金額を見積もりに入れてあるところもあります。
これはあくまで目安としての金額なので、納得がいかなければ自分で金額を決めても良いはずなので担当者に相談してみると良いでしょう。
葬儀屋の見積もりの見方、比較方法については下記のページを参考にしてください。