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菩提寺や檀家ってなに? 菩提寺がない場合や菩提寺を変えたいときは?

最近ではお寺と地域の人々との関係が薄れてきており、菩提寺があるのか、自分が檀家なのか分からない、あるいは菩提寺や檀家の意味自体がよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

普段あまり菩提寺のことを意識することがなかったという人でも、よく分からないままで葬儀を行ってしまうと、後にお墓に納骨することができなくなってしまったというケースもあります。

このページでは、菩提寺や檀家とはどういうものなのか、菩提寺がない場合や菩提寺を変えたい場合にはどうしたらよいのかについて解説します。



菩提寺・檀家とは?

菩提寺

菩提寺(ぼだいじ)とは先祖代々のお墓があるお寺のことを言い、檀家(だんか)とはそのお寺に所属している人のことを言います。

すでに先祖のお墓があるのであれば、お墓がある場所は寺院墓地霊園墓地のいずれかということになりますが、寺院墓地に埋葬されている場合はそのお寺の檀家になっているということになります。

檀家はお墓の管理や供養などを菩提寺にお願いするかわりに、お布施などによってお寺の経済的支援を行います。

家族が亡くなったら菩提寺に連絡を

葬儀や法要などを行う際には、菩提寺の僧侶がその宗派の作法に従って宗教儀礼を行うことになりますので、家族が亡くなったときにはすぐに菩提寺に連絡をして、僧侶の都合と戒名の依頼をする必要があります。

たとえ菩提寺が現在住んでいる地域から遠いところにある場合でも、まずは菩提寺に連絡をしましょう。
菩提寺の僧侶が通夜・葬儀のお勤めをするのが難しい場合には、近くにある同じ宗派のお寺を紹介してくれるはずです。

菩提寺(お墓)の承継

基本的にはその家の長男が本家として菩提寺との関係を引き継いで先祖代々のお墓を守っていくことになり、次男や三男などは独立したら分家として新たにお墓を建てるというのが一般的とされています。

ただし、このような本家・分家のしきたりは古い風習なので、お墓を受け継いだ人(承継者)が認めれば他の兄弟なども同じお墓に入ることは可能です。

菩提寺がない場合

最近では菩提寺がないという人も多くいます。
菩提寺がないという人は、葬儀のときに来てもらう僧侶はどうすればよいのでしょうか。

そのような場合には葬儀屋に依頼すれば希望の宗派の僧侶を紹介してもらうことが可能で、読経してもらったり戒名をつけてもらうことができます。

葬儀屋の探し方

ただし、葬儀の際に菩提寺のことを知らずに、紹介してもらった僧侶に戒名をつけてもらったことで納骨できなくなってしまったというケースもあるので事前にきちんと確認しておくことが必要です。

菩提寺への納骨について

多くの場合、寺院墓地にはそのお寺と同じ宗派の人以外は納骨ができません。

戒名をつけるときに違う宗派の僧侶につけてもらった場合、遺骨を菩提寺のお墓に入れることができなくなってしまうことがあります。

また、同じ宗派でもお墓があるお寺とは別のお寺の僧侶に戒名をつけてもらった場合に、納骨を断られるケースもあるので注意が必要です。

このような場合は、納骨したいお墓があるお寺に戒名のつけなおしを求められることもあり、戒名料をもういちど支払わなければならなくなることもあります。

菩提寺がない場合のお墓

菩提寺がない場合には新たに寺院墓地のあるお寺を探して檀家になるか、宗教・宗派に関係なく納骨ができる民営霊園や市町村が管理する公営霊園で墓地を購入するという人も多くいます。

菩提寺を変えるには

菩提寺

菩提寺から遠い場所に引っ越したなどの理由で、お墓を近い場所に移転したいというケースもあります。

昔は一族が同じ地に住み続けるということが普通でしたので、菩提寺を変えるということはそうあることではありませんでしたが、現代においては就職や転勤といった仕事の理由などから菩提寺とは遠く離れたところに住むことになったというケースは多くあります。

また、現在の菩提寺の僧侶との折り合いが悪いために、菩提寺を変えるということも可能ですが、その場合でもお墓を新しい菩提寺に移転(改葬)する必要があります。

いずれにしろ、菩提寺を変えるにはそれなりの金額が必要となってきます。
菩提寺を変える場合は親族でよく話し合ってから決めましょう。

檀家をやめる(離檀)

菩提寺を変えるには、もともとの菩提寺の檀家をやめる必要があります。
お寺の檀家をやめることを離檀(りだん)といいます。

離檀するときには、埋葬しているお墓から遺骨を取り出しお墓を撤去して元の状態に戻します(墓じまい)。

墓じまいについては下記のサイトが分かりやすいのでご覧ください。

菩提寺には、これまでのお礼として離檀料を支払うことが通例となっています。

離檀料はお布施として支払われるものなので決まった金額はありませんが、離檀料の相場は法要1回分と言われており、5万円~20万円程度の場合が多いようです。

新たに檀家になる(入檀)

新たにお寺の檀家になり、そのお寺を菩提寺とすることを入檀(にゅうだん)といいます。

檀家になると必要な費用は入檀の際に必要な入檀料のほか、位牌を安置するために必要な位牌堂の費用も必要な場合があります。
その他、お墓の清掃管理や寺院の運営に必要な維持費、お寺の行事や法要があるときに参加費として支払うお布施などがあります。

菩提寺に支払うお金の相場

入檀料 10万円前後から大きなお寺では30万円を超えるところも
位牌堂の費用 10万円程度
維持費 年間5千円~2万円程度
行事・法要参加費 3千円~1万円程度

上記の金額は宗派やお寺によっても大きく違ってくることがあるので、入檀する前にお寺に確認しておいた方がよいでしょう。

また、人が亡くなったときには葬儀でのお布施(読経料や戒名料など)や法要でのお布施などが必要となってきます。

葬儀でのお布施金額の相場については下記のページをご覧ください。

お布施

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